コラム COLUMN
所内勉強会(知財経営理論と知財経営コンサルティング)
更新日 : 2016.01.21
パテント2008 Vo.61 No.10 p.62「知財経営理論と知財経営コンサルティング」(鮫島正洋先生)の論文で所内勉強会をしました。少し昔の記事ではありますが、今でも通用する大変有益なアドバイスが散りばめられているので、以下に列挙します。
・多くの中小企業において知財経営が不在であるなか、知財経営を導入することこそが今求められていることである。
・特許ポートフォリオを形成しないと、市場全体が伸びているにもかかわらず、売り上げが横ばい、利益は年々低下の傾向となる。日本の中小企業経営の問題点は、かかる知財経営理論の理解が未熟であるため、特許出願費用を単なるコストと考えてしまい、可能な限りこれを節約してしまうことである。
・或る技術を実施するために、または或る製品を生産する際に、用いなければならない特許であれば、その特許は必須特許といえる。弁理士の重要な役割は,単に特許を出願して特許化することではない。必須特許をなるべく取得することであり、このためのサポートをすることである。
・中小企業ビジネスを知財経営論という連鎖で捉えた場合、弁理士が必要で、これを実践するためには、従前のように「顧客から依頼が来るまで事務所で待つ」という受動的な姿勢では難しい。技術開発の実際を把握、現場に赴き、定期的に開発会議に参加し、開発成果に対して必須特許ポートフォリオ論の観点からアドバイスを行い、その結果、特許出願を行うという主導的・能動的な姿勢を確立することが必要になる。
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