コラム COLUMN

大和証券グループ本社、知的財産戦略支援でIP Bridgeと業務提携

更新日 : 2020.04.02

大和証券グループ本社と、株式会社IP Bridge(アイピー・ブリッジ)が業務提携したとの報道がありました。

IP Bridgeは2013年に官民ファンドである産業革新機構を中心に設立された日本で最初で最大の知財ファンド運営会社です。知的財産権の調達、ライセンス供与、コンサルティング事業などを展開し、そのファンド規模は300億円になります。

大和証券グループは、証券ビジネスを核としながら、周辺ビジネスの拡大・強化による「新たな価値」の創出を目指して、中期経営計画「“Passion for the Best”2020」をスタートさせています。今般、知的財産の有効活用と収益化を推進すべく、IP Bridge と業務提携契約を締結したとのことです。

業務提携契約の締結に至るまでに、IP Bridge が関与する知的財産権の価値評価を含めた知財デューデリジェンスなど、事前の慎重な検討が必要だったことは言うまでもありません。

報道によれば、業務提携により大和証券グループからIP Bridge に顧客を紹介したり、両社の共同投資機会を相互に提供するほか、知財関連ビジネスを共同推進するとのことです。

地域創生ビジネス交流会2020に出展しました

更新日 : 2020.02.12

第一生命保険株式会社様主催の「地域創生ビジネス交流会2020~東京・首都圏と地方をつなぐ~」(品川GOOS1階、TKPガーデンシティ品川)にブース出展しました。東京・首都圏並びに各地方の地域振興・経済活性化を目指して、首都圏のみならず東日本を中心とした各地域の企業様も出展する活気にあふれたビジネス交流会です。今回は東京都の特別区長会の協力のほか、山形県・福島県・茨城県・長野県の協力も仰ぎ、各社、各自治体・団体がブースを構え、自社製品・サービス等を展示しながら来場者様との商談を実施しました。来場された方々は当日ブースを自由に回ることもできますので、新たなビジネス機会の創出・販路拡大を目的としたビジネスマッチングの機会が得られます。

今回は各参加ブースごとに撮影した約1分のアピール映像をメイン会場のスクリーンに流してもらうことができましたので、映像を見ながら興味の湧いた相手を探すこともできました。弊所のブースでは、弊所の出願代理業務、特に商標登録出願のあらましに加えて、知財価値評価サービスAIVASの紹介をさせていただきました。

外部来場者様だけでなく交流会の出展者様とも様々なビジネスのお話ができ、大変有意義でした。

 

 

トヨタ自動車、保有特許のオープン戦略

更新日 : 2019.12.23

トヨタ自動車がのなかで他社に提供できる保有特許を見やすくまとめたウェブサイトを米国で立ち上げたとの日経新聞の記事を見つけました。

このウェブサイト(Toyota IP Solutions)はトヨタの米国法人が立ち上げたもので、

・生物活性洗浄材料・・・有機物分解酵素による車体表面の汚れ除去等

・ナノ材料合成・・・ナノ粒子の効率的な合成により高品質電極や強力磁石の製造等

・熱管理技術・・・電子システムで発生する熱を減少させる冷却材料・装置等

・全方向性特殊反射塗料・・・特定波長の光を全視野角に反射させる顔料化合物・塗料等

の4つの領域の米国特許を開示しています。特許の特徴を紹介し、保有米国特許・特許出願を開示して、興味のある人が専用フォームから問い合わせできるようになっているようです。

トヨタの元知財部長が、その講演で「自社だけでは解決できない、本業とは直接関連しない技術は・・・広く公開する」とおっしゃっていたことを以前に報告したことを思い出しましたが、上記もトヨタのオープンクローズ戦略の一環なのでしょう。

三位一体による特許情報の戦略的活用について

更新日 : 2019.11.22

昨晩は弁理士会研修で、鶴見隆氏の「三位一体による特許情報の戦略的活用について」を聴講してきました。鶴見隆氏は旭化成でウイルス分離膜やアクリル系繊維(カシミロン)などの開発に携わり、その後知的財産部部長となられた後、東京農工大教授を経て、現在(株)戦略データベース研究所代表を務められています。この日のご講演は、先日ノーベル化学賞を受賞された吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)のリチウムイオン二次電池(LIB)の特許に関するエピソードも交えて、大変面白く有意義なものでした。

ここでいう特許情報の活用における「三位一体」とは、研究者・特許担当者・情報担当者の協力体制における三位一体のことであって、2000年代初頭から経済産業省や特許庁が唱えている知財立国のための事業戦略・研究開発戦略・知的財産戦略の「三位一体」とは異なる意味合いで用いられています。研究目的や技術知識を持っている研究者と、目的に応じた調査に長けた情報担当者と、権利関係の判断に長けた特許担当者との三者の協力体制を構築することで、初めて目的に適った情報の収集と分析が可能となるということです。まだ誰もやっていない独創性のある分野を自分で切り拓いていくためには特許情報調査が重要であることを、旭化成知財部長時代の具体的な例とエピソードを交えて、わかりやすく説明していただけました。

研究テーマ設定と展開にあたり、特許情報の遡及調査を行うことはもちろんのこと、研究を続けるにあたっても継続調査を行い、それを商用データベースツールを用いてストックするLocal Database(LDB)を構築する。研究テーマを事業戦略へと発展させていくにあたり、他社特許情報との用語の統一や事業戦略上必要な情報(技術・製品分類、自社・他社方針等)を付加して整理したStrategic Database(SDB)を構築して戦略データベースとする。こうした一連のデータベース構築が90年代末から旭化成では行われているとのことです。社長や事業部長らも巻き込んで知財経営マインドを社内に浸透させていった手腕は見事なものです。

吉野彰氏のリチウムイオン二次電池(LIB)の開発秘話も知財部の視点から紹介していただけました。基本的には化学素材メーカーである同社が、当時まだLIBの市場開発がなされていなかった時点で事業化するにあたり社内経営陣でも喧々諤々だったそうです。東芝と合弁企業を設立して事業化を開始したのですが、当時からLIBの第一人者であったGoodenough教授(吉野氏とともに今年ノーベル化学賞受賞)もLIBの特許を有しており、その特許問題やサブライセンス交渉の興味深い裏話を聞くことができました。ほぼ同時にソニーでも開発されていたLIB開発の事情も紹介されていました。そして旭化成におけるLIBの基本コア特許成立の事情等々、その場にいなければ知ることのできない話をいろいろ聞くことができ、充実した研修会でした。

中国 深圳市で知的財産権金融連盟が設立

更新日 : 2019.11.12

最近、深圳知的財産金融連盟が深圳市で発足し、深圳知的財産金融公共サービスプラットフォームの運用が開始されました。 このサービスプラットフォームは、知的財産をコア資産として、担保融資ローン、株式投資、債券発行、保険サービスなどのさまざまなサービスを提供するものです。深圳にある20,000を超えるハイテク企業に、各種知的財産権の価値評価などを支援するサービスを提供することを目的としています。

わかりやすく言えば、深圳市という特定地域内で、金融機関と評価人がタッグを組んで中小企業に事業資金を提供する仕組みです。ここでいう評価人とは、弁理士とは別の国家資格であり、評価人は弁理士と兼務はできないそうです。中国では評価人育成プログラム等の知財評価教育体制が進んでいることについては、このコラムでも紹介しました。金融機関は、中小企業から知財担保融資等の申込みを受け付けたら、その地域の評価人に価値評価を依頼する必要があり、評価人手数料は金融機関が負担する、というスキームのようです。国(又は地方政府)が全面的に後押ししていることから、すぐに軌道に乗るスキームであろうと予想されます。

今回の金融連盟は、国任財産保険、平安銀行、国信証券、深圳市創新投資集団、横琴人寿保険、法知金集団の6社が資金を出し合い、その中から評価人の手数料を支出していくのだと考えられます。リスクヘッジがメインでしょうが、融資先の中小企業が将来的に知財で収入を得れば、金融連盟に還元する条件が付いていたら、投資目的も多少含まれている可能性もありますね。(出典:国家知識産権戦略網2019年11月4日)