コラム COLUMN

弁理士会研修「海外における知財を含む資産評価について」に参加しました

更新日 : 2016.02.24

弁理士会研修「海外における知財を含む資産評価について」(若山和夫氏)に参加してきました。米国鑑定士協会(ASA)と提携して知財評価のためのセミナーを日本国内で実施している日本資産評価士協会の若山氏による講演でした。
欧米では会計基準をベースに知財を含めた評価基準の体系が構築されており、例えば米国では大手監査法人のみでなく、個人を含む推定3万人の専門家が中小企業等に対して知財の評価やその維持・向上、資金調達等にかかる多様な助言を提供しているそうです。今後、日本でも、知財の専門家である弁理士がこれらの活動に関与していくことが期待されています。
日本では事業評価・知財評価のいずれも会計士(CPA)の領域だという意識が高いのですが、米国ではCPAでない人も評価しているのが現状です。機械設備の物理的評価だけでなく技術の評価も必要で、不動産鑑定士や監査法人が機械設備の評価をしても信用されないという懸念もあり、知財の価値評価はまさにそういう領域にあるのです。この領域に弁理士が入ってくると依頼者にとっては安心感をもたらすことができるはずです。弁理士が技術の評価に入っていけば、不動産鑑定士が機械の価値評価をするよりも2歩も3歩も先を行くというアドバンテージがあるわけです。もちろん本格的に知財評価をやろうとすると、まずは事業評価をやっていかないといけない。
ASA(米国鑑定士協会)では、知財・無体財産評価教育として評価人育成プログラムが行なわれているそうです。IFRS準拠のプログラム(6日+修了試験)を設けており、中国・韓国ではすでに実施されているが、マテリアルが英語ということから、日本ではまだ行われていないとのことです。