コラム COLUMN

「ノウハウ秘匿と特許出願の選択基準およびノウハウ管理法」のセミナーに参加しました

更新日 : 2018.06.06

昨日は一般財団法人経済産業調査会主催のセミナー「ノウハウ秘匿と特許出願の選択基準およびノウハウ管理法」に参加しました。

近年、知財経営戦略の一つとしてオープン・クローズ戦略が話題になっています。その一つの手段としてノウハウの管理があります。どういう場合に特許出願をし、どういう場合にノウハウとして秘匿した方がよいのかの選択基準を持つことは、オープン・クローズ戦略を実現するうえで重要なことです。またその管理の仕方はノウハウの知財としての価値評価に影響します。

このセミナーでは弁理士であり技術士でもある講師(高橋政治氏)が自らの経験と実例に即して、秘匿化(ブラックボックス化)するか否かの判断基準、技術漏えいを防止するための社内体制の構築、先使用権のための備え等について説明をされました。

特許出願等を代理する特許事務所の弁理士として出願代理も重要な仕事ではありますが、お客様がノウハウとして秘匿するような選択をされた場合でも、それを知的財産として資産化するためには、文書化することが重要です。その場合、特許明細書のような書式で揃えることが、管理上も実務上も便利で有効なのです。その文書化を特許事務所に依頼することもあります。最初はノウハウとして秘匿しようと決めても、他社の研究開発の進展具合により、後に特許出願に切り替えたいと考えることもあり、その時になってから出願書類を作るのでは間に合わないこともあります。ノウハウ秘匿の選択をした段階で明細書化しておくことが良いのです。

ノウハウ管理やその価値評価についても私たち弁理士が活躍する機会があると考えています。