コラム COLUMN
韓国での知財担保融資(知的財産権・棚卸資産などを担保にした融資)
更新日 : 2018.06.11
先週、韓国における知的財産権取引市場とIP専門回収支援機関について書きましたが、韓国知的財産ニュース 2018年5月(後期)(No.367)2018/6/1 JETROソウル事務所知的財産チームによれば、韓国特許庁の関係者が「6月末までに知財金融活性化に向けた道筋を示し、無体動産担保の活性化案を積極的に推進したい」とし、「2022年までの長期計画を策定する」と明らかにしたそうです。そして2022年までに動産担保市場を現在の30倍以上である6兆ウォン規模に拡大するそうです。
上記ニュースによれば、今後、中小企業が保有している特許などの知的財産権、機械設備、完成品・半製品などの棚卸資産、農畜水産物などを担保にして融資を受けることが可能になるとのことです。動産は不動産と異なり、相場を推定することが難しく、権利関係も不明であるという問題があり、これを解決するために、IoT資産管理システムやビッグデータ・モニタリングサービスを導入し、担保の状態や融資を受けた企業の営業活動をリアルタイムで管理することを目指しているようです。
上記ニュースによれば、今後5年間、約3万社が動産担保融資を利用すると見通しを立てているそうで、各銀行の動産担保融資に関する標準内規も見直され、あらゆる業種で動産担保融資を認めていくようです。知的財産権、売上債権など、実物のない無体物動産担保の活性化に向けた支援も充実させ、IP価値評価費用を支援し、評価に対する負担軽減を図り、IP担保融資の実績を独立指標として反映し、銀行の参加を促すとのことです。
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韓国では知財価値評価の手法が進んでいます。日本特許庁による知財価値評価が、金融機関のための「知財ビジネス評価書」による対象企業の「事業性評価」に力を入れているのに対し、韓国をはじめとするアジア諸国での知財価値評価は「知財担保融資」を目的としています。この違いが今後、日本とアジア諸国の知財価値評価業務にどのような質的な差と業務展開の相違をもたらすのでしょうか。
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