コラム COLUMN

平成30年度招へい研究者 研究成果報告会~パテントリンケージ制度に関する比較研究

更新日 : 2018.08.31

昨日の午前は、知的財産研究所が主催する「平成30年度招へい研究者 研究成果報告会」に参加しました。「知的財産研究所」は、知的財産アナリストを認定する「知的財産教育協会」と同様に、一般財団法人知的財産研究教育財団の下部組織です。知的財産研究所では、特許庁から委託を受け、外国から研究者を招へいし、産業財産権に関する制度調和が必要となる課題について研究する機会を提供しており、今回のように招へい研究者 研究成果報告会を開催しています。

今日の報告者と研究テーマは、

・ Shin, Hye Eun(シン・ヘウン)(2001年よりソウル国立大学講師。2007年より忠北大学ロースクール教授)

・“Comparative Study on Patent-Approval Linkage System”『パテントリンケージ制度に関する比較研究』

7月上旬から9月上旬までの約2か月の招へい期間中の研究成果の発表です。

米国・韓国・日本、その他カナダ等、医薬発明の存続期間延長制度を導入している国の特許制度と医薬許認可制度のリンケージを比較しています。国によって製薬業界の状況や、新薬メーカとジェネリックメーカーとの力関係が異なるので、パテントリンケージ対応やジェネリック独占権(優先性)の考え方も各国ごとに異なることが、本研究者の比較研究から知ることができました。試験データ保護(deta exclusivity)やジェネリック独占権(generic exclusivity)は、直接的な知財権というわけではありませんが、特許権の独占権や排他権に関わり、製薬業界では特許の価値に大きな影響を与えるファクターです。