コラム COLUMN

中国、知的財産権の運用にさらなる推進策を打ち出す

更新日 : 2020.10.16

中国は従来から知的財産権運用システムを整備しています。中国国家知識産権局によると、2019年の知的財産権運用システムの効果として、全国での専利権の譲渡、使用許諾、質権などの運用は30.7万回だったとのことです。また、専利と商標の質権融資総額はそれぞれ前年同期比21.3%と23.8%増加し、合計で1515億元(約2.4兆円)に達したとのことです。これは、知的財産権運用システム構築に重点を置く都市が26に増え、初の全専利構成資産の証券化商品の発行に成功したこと、一連の重要な知的財産権運用プロジェクト・プラットフォームが続々と実施に移されたことが大きく効いているようです(出典:https://www.ccpit-patent.com.cn/ja/node/12054)。

 つい最近も、中国の吉林省、河南省、遼寧省、重慶省などの10数省及び直轄市において、知的財産権の運用強化に重点を置いた知財運用推進策が打ち出されたとのニュースがありました。これは、リスク補償や補助金、知的財産権評価、質物の処分などの政策の整備を図ることにより知的財産権担保融資を促進する意図のようです。国の関連部門も知的財産権の担保融資関連の政策を徹底し、民間企業や中小企業、スタートアップ企業などへの支援強化に取り組んでいるそうです(出典:国家知識産権戦略網2020年9月28日、CHINA IP Newsletter JETRO北京事務所知的財産権部 知財ニュース2020/10/13号 (No.375))。