コラム COLUMN
新年明けましておめでとうございます~政府の「知的財産推進計画2021」について
更新日 : 2021.01.04
新年明けましておめでとうございます。
昨年は大変な一年でしたが、当所では緊急事態宣言が発出されても、原則全員セキュアな環境下でのテレワークにより、つつがなく業務を遂行することができます。
昨年暮れの2020年12月21日、首相官邸ウェブサイトに、「知的財産戦略本部」による「構想委員会」において「知的財産推進計画2021策定に向けた検討」の第2回目会合(Web会議形式)が開催された旨が掲載されていました。その資料4に、知財投資・活用の促進メカニズムとしての知財価値評価に触れた記載がありましたので紹介いたします。
内閣府の知的財産戦略推進事務局は、知財の価値評価手法の検討として『ブランド価値評価研究会』(2002年経産省)から『知財のビジネス価値評価検討タスクフォース報告書』(2018年知財事務局)など、また、無形資産の見える化の検討として『知的資産経営』(2005年経産省)から『経営デザインシート』(2018年知財事務局)など、様々な検討を行ってきました。
無形資産(とりわけ知財)が企業価値に占める割合が増大し、「企業価値の源泉が有形資産から無形資産に変わってきている中、日本では無形資産が十分に評価・活用・獲得されていない」といわれています。「日本では依然として有形資産への投資のウェイトが高い」というのです。さらには研究開発費や売上高研究開発費比率についても、トヨタやソニーのような日本の大企業の開発費・比率が、Google社やApple社のようなGAFAのそれよりも小さいことが指摘されています。
これらの点に着目し、日本の産業競争力強化のため、「無形資産(知的財産)に基づく資金獲得を促すことで、無形資産投資や研究開発投資を増やし、イノベーションの創出を促せないか」ということで、知財と金融に関する取組みがなされてきました。これが過去5年間にわたり行われている「知財ビジネス評価書」や昨年度から始まった「知財ビジネス提案書」という特許庁の取組み『知財金融促進事業』です。民間の金融機関、例えば各銀行でも様々な制度を設け、有形資産の担保だけでなく、無形資産(知的財産)に基づいて、中小企業に融資しやすい環境を整備してきています。
国を挙げて「知財投資・活用の促進」を図ろうという潮流が一層高まっています。
私たちAIVASチームも、この流れが研究開発型企業や金融機関に留まるものではないと感じています。この数年、M&A仲介会社やM&Aに関与する企業、また特許やそれ以外の知的財産(例えば商標権や著作権に至るまで)を有する企業の方々が知財投資・活用に向けて、無形資産(知的財産)の適切な価値評価に関心を持たれてきていることを、私たちは肌で感じています。
私たちも適切な知財価値評価を通じてお客さまのお役に立てることを願っております。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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