コラム COLUMN

知財価値評価セミナー「グローバル競争環境における知財価値評価とマネジメント(企業価値向上に向けた知財運営:知財リテラシーの構築を目指して)」に参加しました

更新日 : 2016.10.31

昨日と今日の土日は休日ではありましたが、虎ノ門の日本弁理士会館に出掛け、知財価値評価の研修に参加してきました。

日本弁理士会知的財産価値評価推進センターと日本資産評価士協会の共催による「知財価値評価セミナー グローバル競争環境における知財価値評価とマネジメント(企業価値向上に向けた知財運営:知財リテラシーの構築を目指して)」(有料)です。知財等無形財産の価値評価に精通し、その国際取引に参画できる弁理士を育成するという目的で開催されるものです。2日間にわたり、10時から17時までの終日の研修でした。

講師はASA(米国鑑定士協会)の鑑定士であるRaymond Rath氏です。米国の機械設備等の動産の価値評価はASAのみが行っているとのことで、鑑定士は特に会計士でなくてもよいそうです。通訳とモデレータはJaSIA(日本資産鑑定士協会)の若山和夫氏です。この先生は今年の2月25日の弁理士研修「海外における知財を含む資産評価について」でも講師をされました。2日目の講義はこの若山先生による講義でした。

ASA(米国鑑定士協会)は米国の首都ワシントンD.C.に本部を持ち、1936年に創設された米国で最も古い歴史を有する鑑定教育・資格の業界自主団体の1つです。ASAは現在、不動産、動産、機械・設備、事業(含む知財)、美術品、宝石等それぞれの専門分野での評価に関する教育と資格認定を提供しています。特に機械設備評価では、世界4大会計事務所(ビッグ4)をはじめ、国際的に認知される世界で唯一の機関だとのことです。

日本資産評価士協会(JaSIA)は、機械設備・事業評価を中心に国際的な認知と権威を有するASAより委託を受け、日本で唯一、ASAの国際資産評価士資格の取得に向けた教育・研修プログラムを提供している機関だそうです。

国際評価基準(IVS)とか国際会計基準(IFRS)とか普段、特許や商標の仕事に携わっているだけでは耳慣れない言葉が行き交いましたが、海外では欧米を中心にUS-GAPP(米国会計基準)やIFRS(国際会計基準)と連動して知財等の無形財産の価値評価基準の制定、人材育成が進められグローバルスタンダードが確立されているとのことです。これに対して、我が国は国際的に通用する知財リテラシーが極めて脆弱だとのことです。

浅村の知財価値評価への取り組みも国際的に通用する知財リテラシーの向上に資することができればと思います。