コラム COLUMN

中国 深圳市で知的財産権金融連盟が設立

更新日 : 2019.11.12

最近、深圳知的財産金融連盟が深圳市で発足し、深圳知的財産金融公共サービスプラットフォームの運用が開始されました。 このサービスプラットフォームは、知的財産をコア資産として、担保融資ローン、株式投資、債券発行、保険サービスなどのさまざまなサービスを提供するものです。深圳にある20,000を超えるハイテク企業に、各種知的財産権の価値評価などを支援するサービスを提供することを目的としています。

わかりやすく言えば、深圳市という特定地域内で、金融機関と評価人がタッグを組んで中小企業に事業資金を提供する仕組みです。ここでいう評価人とは、弁理士とは別の国家資格であり、評価人は弁理士と兼務はできないそうです。中国では評価人育成プログラム等の知財評価教育体制が進んでいることについては、このコラムでも紹介しました。金融機関は、中小企業から知財担保融資等の申込みを受け付けたら、その地域の評価人に価値評価を依頼する必要があり、評価人手数料は金融機関が負担する、というスキームのようです。国(又は地方政府)が全面的に後押ししていることから、すぐに軌道に乗るスキームであろうと予想されます。

今回の金融連盟は、国任財産保険、平安銀行、国信証券、深圳市創新投資集団、横琴人寿保険、法知金集団の6社が資金を出し合い、その中から評価人の手数料を支出していくのだと考えられます。リスクヘッジがメインでしょうが、融資先の中小企業が将来的に知財で収入を得れば、金融連盟に還元する条件が付いていたら、投資目的も多少含まれている可能性もありますね。(出典:国家知識産権戦略網2019年11月4日)