コラム COLUMN
日本弁理士会の評価人候補者研修~ライセンス料率、DCF法の考え方
更新日 : 2017.07.28
日本弁理士会には各種の委員会や付属機関があります。知的財産経営センターもその一つで、知財経営をワンストップで支援することを目的として、知財経営に関連する各種委員会・附属機関を統合した組織として設けられました。当センターはさらに3つの本部に分かれ、そのうちの一つが知財価値評価事業本部です。ここは知財価値評価の手法を研究し、評価指針・手引書・マニュアル類の研究成果を提供しています。知財価値評価事業本部の活動のひとつに評価人候補者制度があります。この制度は、知的財産権の金銭的価値を鑑定評価できる評価人候補者を育成するとともに、各地の裁判所・企業・公的機関などから知財評価の要請を受けたときに、適切な評価人を推薦する活動です。原則として評価人候補者に登録した弁理士だけが、知的財産経営センターが提供する評価人候補者研修に参加したり、研修用DVDで勉強をすることができるのです。
今週はこの評価人候補者用の研修素材で知財評価手法の復習をしました。
ライセンス料率を決定する要因のうち、実際にライセンス料率を業界の平均値からどのようにして調整して求めるのか、その具体的な方法をあらためて学びました。帝国データバンクのアンケート結果をまとめた「ロイヤルティ料率データハンドブック」(現代産業選書―知的財産実務シリーズ、経済産業省知的財産政策室編、経済産業調査会(2010))、特許庁の「特許評価指標(技術移転版)」の記載内容を詳細に深堀して、ライセンス料率を求めるのです。具体的事例を挙げて、スコアリングの点数(定性評価)とライセンス料率の調整方法(換算方法)の一手法を学ぶことができました。
またDCF法の理論的な考え方を講師の先生自身の言葉で噛み砕いて説明していただき、とてもわかりやすかったです。「リスクが高い」ということは「事象のバラつきが大きい」ことであるという解釈はなるほどと思いました。負債コストの節税効果の説明も講師の先生独自の説明の仕方をされていました。配当の理論的説明や、残存価値の計算も高校数学の見地から細かく丁寧に導出しており、復習用の資料として役立ちます。
また、フリーキャッシュフロー(FCF)の計算から加重平均資本コスト(WACC)、株主資本コスト、β値のアンレバード、レバードの計算、リスクプレミアムの入手方法、実際の事業価値の計算例など、一冊の専門書分の濃い内容を学ぶことができました。
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