コラム COLUMN

Dainippon Printing Co., Ltd. (DNP) Entered the Intellectual Property-Utilizing Event Business, including popular animation and cartoons.

更新日 : 2019.07.23

According to the electronic version of the Nikkei Shimbun dated July 18, 2019, DNP will start an event business utilizing intellectual property (IP) in collaboration with companies that possess IPs of popular animation, cartoons, and games. By purchasing the right to use IP in the event, they intend to develop the event in combination with their own technologies and achieve a total of ¥5 billion in sales. This is 250 million yen per month as they plan to reach ¥5 billion over the next 20 months. This may not necessarily be a huge business for large companies like DNP, but it is a new business that can utilize the latest patented digital technologies such as AR (augmented reality) owned by DNP. If it can make a profit first of all, that will be fine. The “right to use IP in the event” may be a combination of the right to reproduce the game program or the game itself (movie work), the right to adapt the game, the right to send the game to the public, the right to show the game, etc. The right to use IP in the event will be granted by the owner of the game for a limited period of time or for a limited purpose. This is a happy scheme to everyone because game companies can expect sales to increase and advertise, and gamers can experience game play in different ways than on their own devices. This is a business that can take into account the synergistic effects brought about by both parties and expect various economic ripple effects resulting from them.

大日本印刷、人気アニメ・漫画などの知財活用のイベント事業に参入 

更新日 : 2019.07.23

2019/7/18の日経新聞電子版によれば、大日本印刷は人気のアニメや漫画、ゲームなどのIPを保有する企業と連携して、知的財産を活用したイベント事業を始めるとのことです。イベント利用の権利を買い取るなどして、自社技術と組み合わせたイベントを展開し、2021年3月までに累計50億円の売上を目指すとのことです。これは、今後20ヶ月で50億円の計画ですから2.5億円/月となります。大日本印刷ほどの大企業にとっては必ずしも大きな商いではないのかもしれませんが、「自社の持つAR(拡張現実)など最新のデジタル技術」(特許)を活用できる新規事業ということですので、まずは利益が出れば良しとするのではないでしょうか。「イベント利用の権利」は、ゲームプログラムやゲーム自体(映画の著作物)の複製権、翻案権、公衆送信権、上映権などの組合せになるかと思いますが、期間限定か目的限定でゲームの所有会社に許諾してもらうのでしょう。ゲーム会社にとっても売り上げの増加や宣伝を見込めますし、ゲーマーにとっては自分の端末と違う遊び方・体験ができるので、みんながハッピーなスキームだと思います。両者がもたらすシナジー効果と、それによるさまざまな経済的波及効果を見越した事業なのでしょう。

知財ビジネス評価書・提案書、VCからの応募も受け付ける

更新日 : 2019.07.05

先日来からベンチャーキャピタル(VC)絡みのコラムが続いていますが、知財価値評価の分野でもVCが主要なステークホルダーとなっています。というのも、経済産業省・特許庁では、地域金融機関等による、知財を切り口とした取引先企業の経営支援(知財金融)を後押しすべく、7月1日より、「知財ビジネス提案書」の提供など、新たな支援の募集を開始したからです。

特許庁はこれまで「知財ビジネス評価書」の提供などにより、地域金融機関等が知財の面から取引先の事業を理解することを支援してきましたが、今年から少し毛色が変わり、地域金融機関系ベンチャーキャピタル(VC)からの応募も受け付け、知財を有していない企業も対象とするというのです。

従来からの「知財ビジネス評価書」は、金融機関に対して中小企業が行っている事業への理解を促すことが目的でしたが、今年度からは、中小企業が抱える経営課題に対して知財を切り口とした課題解決の要素を盛り込む「知財ビジネス提案書」も作成するというものです。今年度は、新たに知財権を保有していない中小企業も知財ビジネス評価書・提案書作成の対象とし、中小企業独自のノウハウなどに着目して、事業理解や本業支援を行うとのことです。

ソニーと大和証券グループ本社、総額200億円超のファンドを立ち上げる

更新日 : 2019.07.04

ソニーと大和証券グループ本社が有望な未上場企業の育成に向けて提携し、共同出資会社を通じて年内に総額200億円超のファンドを立ち上げるとの記事が日本経済新聞電子版に掲載されました。ロボティクスや人工知能(AI)、フィンテックなどのIT・デジタル分野を中心として国内外の新興企業に、事業会社が自社の将来成長や戦略目的のために投資を行うものです。事業会社のファンド、いわゆるCVCの設立ということになります。ソニーが技術的な目利きを担い、大和証券が企業の提携や新規株式公開(IPO)を支援し、金融機関などから資金を調達し、上場や売却で資金を回収する方針だとのことです。

ベンチャー企業が適切に評価されるための知財支援の在り方に関する調査研究報告書

更新日 : 2019.07.03

先日は特許庁がベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引きを公表したことを述べました。その元になった調査研究報告書本体であるベンチャー企業が適切に評価されるための知財支援の在り方に関する調査研究報告書も特許庁から公表されています。

投資家による知的財産に対する支援の実態、取り組みの態勢等を把握するため、国内の ベンチャーキャピタル(VC)、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC、事業会社が自社の戦略目的のために行うベンチャー投資) など合計133 社を対象として行ったアンケート調査に基づいています。 全体の60.0%は知的財産の支援を行うことのできる投資家が社内にいないと報告しています。

そのため本調査で指摘された課題を踏まえ、投資家向けの知財支援のために作成した手引書が先日の「ベンチャー投資家のための知的財産に対する評価・支援の手引き」というわけです。